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第2準備書面・第3準備書面提出報告

第2準備書面・第3準備書面提出報告

平成26年7月23日、弁護団は第2準備書面、第3準備書面を提出しました。

弁護団がこれまで提出した書面は、訴状と第1準備書面です。
これらの書面は、平成26年6月18日の第1回口頭弁論期日で陳述しました。
第1準備書面は、被告国に対して詳細な認否をするよう求める書面でした。

今回提出した書面は、第2準備書面と第3準備書面です。
第2準備書面は、サブタイトルが「民法709条と原賠法3条1項の関係について」となっています。

民法709条は「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害したものは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」として一般的な不法行為責任について規定しています。

一方、原子力損害の賠償に関する法律(原賠法)3条1項は「原子炉の運転等の際、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えた時は、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責に任ずる」と規定して、原子力事業者の責任を規定しています。

これらの規定について、東京電力は、原賠法3条1項によって民法709条の適用が排除されるとして、賠償責任の審理は、民法709条の要件である東京電力の過失の有無について行う必要はなく、損害の有無や金額に関する部分に集中すべきであると主張しています。
これは、原発事故発生について東京電力にどのような過失があったのか、という議論を避けるための戦略に他なりません。

これに対して弁護団は、民法709条と原賠法3条1項の関係を詳細に検討し、原賠法3条1項は民法709条の適用を排除しないこと、そして、本件においては東京電力の過失の種類や程度を審理の対象としなければならない理由を主張しました。

第3準備書面のサブタイトルは「被告国の求釈明に対する回答」です。

福島第一原発を設置・運営しているのは直接には東京電力です。しかし、本件訴訟では、原子力事業の監督権限を有する国が、東京電力に対して必要な監督をしていれば本件事故は起こらなかったはずであるとして国にも事故の責任があると主張しています。

国は、弁護団の主張に対して、どのような場合に監督権限を行使しなかったことが違法となるのか、過去の最高裁判例に即した主張をするよう、求めてきました。

そこで、過去の最高裁判例を検討・分析し、判例理論から導かれる国の責任の判断方法について、詳細な回答をしました。

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