福彩支援

06月

「福島原発さいたま訴訟」 第一回口頭弁論報告(2014/6/18)

「福島原発さいたま訴訟」 第一回口頭弁論報告

挨拶する北浦恵美・福島原発さいたま訴訟を支援する会代表

福島原発事故で故郷を追われ、埼玉に避難された被災者6世帯16名が国と東電を相手に提訴した損害賠償請求訴訟「福島原発さいたま訴訟」の、第一回口頭弁論が、6月18日、さいたま地裁(脇 由紀裁判長)で行われました。

開廷前から傍聴券を求める長い列が出来、満席の傍聴者が注視するなか、まず原告の意見陳述が行われました。
原告男性は「今回の原発事故によって,私たちは,何気ない日常を一瞬にして滅茶苦茶にされました。もう,どうやっても元通りにはなりません。国や東電は,どう責任を取ってくれるのでしょうか。」
「国も東電も,避難者の大変な被害について,きちんと責任を認めてほしいです。そして,一旦事故が起きたら,こんなにひどい事になってしまうのだと,真剣に反省するべきです。私は,現在も避難生活を強制されて,それに対して国や東電が十分に責任を取っていないことが,悔しくて仕方ありません。」
と、静かな口調のなかに強い憤りをこめて語られました。

続く原告代理人弁護士の意見陳述では、本件訴訟についての弁護団の基本方針を述べ、「本件は、国及び東京電力の本件事故に対する法的責任を明らかにし、被害者への十分な賠償を行うよう求める裁判であり、同時に、今後同じような事故を二度と起こさないための裁判」であることを、明確に訴えました。

代理人弁護士は、さらに国側の答弁書について、1)国側は訴状に記載された内容の記載が、国会事故調や政府事故調の報告書にあるという事実を認めるだけで、その記載されている内容について認否をしていない。2)訴状における原告の主張のうち、国が「否認する」部分について、一方的に否認するだけで、否認の理由を述べていない、とその不誠実な態度を批判し、きちんと答弁するよう求釈明を行いました。
国側代理人は書面の提出期日を決めることさえも渋りましたが、裁判長に促されて、やっと次回期日(9月24日・15時)が決まりました。
なお、訴状における原告らの請求について、被告らはいずれも棄却を求めています。

現在、同様の損害賠償請求訴訟が、全国20都道府県で行われていますが、どの訴訟でも、原告に言わせるだけ言わせて、ずるずると引き延ばす被告側の姿勢が目立つそうです。
後出しジャンケンを食らわぬよう、早めに被告側を土俵に引きずり出すべく、弁護団は戦略を練っています。

閉廷後、15時から近埼玉弁護士会館で報告集会が開かれました。
法廷では意見陳述されなかった原告のお話や、弁護団からの補足説明、質疑応答などで、裁判に対する理解が深まりました。連携体制をとっている山形、新潟、群馬の弁護団からも、各地の取り組みについて報告がありました。

報告集会に続いて原告・弁護団を支援する「福島原発さいたま訴訟を支援する会(略称:福彩支援)」の結成集会が開かれました。
これまで「準備会」として活動してきましたが、役員、規約が満場一致で承認され、正式に「会」としてスタートする運びとなりました。

呼びかけ人のひとりで、傍聴から参加くださった井戸川克隆さんから「事故は起こるべくして起こった」と国と東電への怒り、被害者の苦境を訴えるご挨拶をいただき、「福島原発かながわ訴訟を支援する会(略称:ふくかな)」事務局長・原告団長も駆けつけて下さって、連携の呼びかけがありました。

次回期日は、9月24日(水)15時から、となりました。被告側が訴状に対する認否をおこなう重要な期日です。
次回もまた、傍聴席を満席にしましょう。ぜひご支援をお願いします。

報告者:桂川潤(「福島原発さいたま訴訟を支援する会」事務局、ブックデザイナー)

連帯メッセージ 原発賠償訴訟・京都原告団、支援する会

福島原発さいたま訴訟を支援する会の結成、おめでとうございます。
京都の地から連帯の挨拶を送ります。

京都では、昨年9月17日に第1次集団提訴(33世帯91名)し、今年の2月7日に第1回口頭弁論が行われ、原告団の共同代表2名が意見陳述しました。
3月7日に第2次集団提訴(20世帯53名)、4月25日には第2回口頭弁論が行われ、第2次提訴した原告2名が意見陳述しました。

「原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会」は、昨年10月20日、それまで福島からの避難者支援に取り組んでいた「うつくしま☆ふくしまin京都」の事務局スタッフを母体として結成。
それ以来、原告団を精神的・財政的に支えるべく、原告の話(避難の経緯や現在の生活と困難など)を聞く会を開催したり、講演会の中で原告に話してもらったりしながら、会員拡大に取り組んできました。
現在、一般会員は230名を超え、原告会員も27世帯30名に達しています。

支援する会では、原告間の親睦を深めるために交流会を開催したり、訴状学習会や口頭弁論に参加した原告への「交通費」補助を行うなど、ささやかながら原告の活動を財政的に支援しています。

5月には私たちを勇気づけてくれる2つの判決がありました。

1つは、言うまでもなく福井地裁での大飯原発運転差し止め判決です。
「カネより命」をこれほど明瞭な形で述べた判決はかつてなかったと思います。

2つ目は、京都地裁が東電に対し、福島から京都に自主避難した男性に月額40万円の賠償金支払いを命じる仮処分決定を出したことです。
福島原発事故の深刻さと甚大さは裁判官にも大きな影響を与えています。
しかし安倍政権は、原発事故などなかったかのように汚染地域への帰還政策をごり押しし、今夏にも原発を再稼働することを狙っています。

いま全国17裁判所で原発賠償訴訟が闘われていますが、各地の裁判闘争が情報交換を活発にし、原告同士の交流や支援する会間の連携を深め、この裁判の意義をいっそう広げていかなければ、原発推進勢力の圧力をはねのけることはできません。

貴支援する会が大きく発展され、原告団を精神的財政的に支えていかれることを願っています。共に頑張りましょう。

2014年6月18日
原発賠償訴訟・京都原告団共同代表   萩原ゆきみ
同   福島 敦子
原発賠償訴訟・京都原告団を支援する会事務局長   奥森 祥陽